2012年1月10日火曜日

断食後記

最近、いろんな方から断食について聞かれるので、自分の頭を整理する意味もこめて、ここに書いておこうと思います。

かれこれ10年くらい前から、自分の周りのヒッピー系人口のなかで、たまに断食をする人が登場するようになって、ずっと自分とは無関係だったと思ってきたのだが、2008年の終わりに初めて挑戦した。
やりたかった大きなプロジェクトを終えて、燃え尽き症候群っぽい感じになっていて、自分の頭を切り替えるためのチャンスとして挑戦したようなぼんやりとした記憶がある。
以来、平均するとだいたい1年に1度のペースで、だいたい4日から10日くらいの期間、デトックスの目的でやっている。

断食と一言にいっても、いろんなメソッドがあるのだが、私がやっているのは、アメリカではたぶん一番普及しているであろうmaster cleanseと呼ばれる手法であります。
固形のものは一切食べないけれど、レモンとカイエン・ペッパーとメイプルシロップで作るレモネードを飲む。どれだけ飲んでもいい。
なのであまり空腹感もない。
そして朝には塩水を飲んで、お通じを促進する。
このやり方には、もちろん批判もある。
レモンだけでは必要な栄養素は摂取できないし、このやり方が体に良いという科学的な根拠がないという声もある。

それでも私が断食するのは、普段カジュアルに口に入れているカフェインやお酒、砂糖、タバコといったものを、数日間でも口に入れないことで体がものすごく軽くなるからです。
食べないのは辛くない?とよく聞かれるけれど、食べないこと自体はそう辛くない。
でもカフェインをとらないことで頭が痛くなったり、ぼーっとするのはちょっと辛い。
だから、まったく日常的に仕事などをしながらやろうと試みたこともあるけれど、やっぱりあまりうまくいかなかった。

というわけで、新年から1月5日までレモネードのみの生活、そのあとはベジタブルスープ、9日に初めてアルコールを口にし、今日初めて肉を口に入れた。コーヒーはがんばって今も飲んでいない。
もともと不摂生なタイプなので、これだけクリーンな生活がどれだけ維持できるかわからないけれど。

体が軽くなることのほかに、精神的にもすっきりするとか、肌がきれいになるとか、良いところはほかにもいろいろあるのだが、今回強く思ったのは、食べ物の存在に今まで以上に強い感謝の気持ちが芽生えることである。
食べない間、ツイッターやインスタグラムでみんながアップする写真を、閉じるかわりにじーっと見て、ああ、あれがもうすぐ食べられるんだ考えてみたら、精神的にものすごくあがった。
この数日間、口に入れているものも、前とは違う気持ちで、よく味わって食べるようになった。
なんだか新しい楽しみを見つけたような気持ちである。
というわけで、新年をとてもいい気持ちで迎えられています。