2012年4月20日金曜日

PERISCOPE ローンチにあたって

つくづくブログには向いていないと思う今日この頃。
トッド・セルビーが協力してくれたCASA BRUTUS のこととか、ナバホ居留区のラグで有名な村落に行ったときの話とか、L'Arc en CielのMSGのライブに行って、日本をどう売るべきかということについて思ったこととか、書きたいと思っていたことはいっぱいあったのだが、気がついたら機を逸した感じになっておりました。

が、今日、久々に書いているのは、ここしばらくずっと準備をしてきたiPad/ウェブマガジン、Periscopeがついにオープンしたからです。




ひらたくいうと、ヒトのマガジンである。
私は、有名なクリエーターとかデザイナーとかそういうたぐいの人に取材をするのも大好きだけれど、まったく無名な人に取材をするのも好きだし、相手が変な人であればあるほど盛り上がる。
モノを作る人だったら、その人がどういうことを感じ、考えて作品にしているのかとか、なんでこの人は写真をこういうふうに撮るんだろうか、とか、普通の人だったら、どういうアイデンティティからその政治思想にたどりついたのだろうかとか、そういうことを知ることにちょっとオブセッシブといってもいいくらいの興味をもっている。

今年は私がフリーのライターになって10年目である。
初期の頃はこなすだけで精一杯だったけれど、だんだん時間が経って、自分のライターとしての力量の限界のようなものを感じるようになってきた。
特に取材相手がすっごくおかしな人だったりすると、このおかしさを自分の稚拙な文章力では伝えられない!とはがゆく思ったりして、何か別の伝え方がないかと思うようになってきた。
その一方で、ビデオでできることが増えて、デジタルで雑誌をやるということが現実的なものになってきた。
そんなわけで、iPadが発売になった頃から、ちょうど同じ頃、同じことを考えていた仲間たちとブレストをはじめて、今形になったのがこのマガジンである。

ここまでくるのは、本当に長い道のりであった。
たくさんの人の力を借りて、ここまでこぎつけた。
手伝ってくださったみなさん、本当にありがとう。

そしてオープンした今、まだまだコンテンツは足りないし、微調整しないといけないことはあると思うけれど、なかなか強烈なメンツでスタートできたような気がする。
始めたからには、続けていくつもりなので、ここで満足している場合ではまったくない。これまで以上にがんばらないといけないと思っています。

そして、今回のデザインを実現してくれたのは、ムラカミカイエ氏以下、SIMONEのみなさんであった。
ムラカミカイエ氏は、今、時代に求められてとても忙しくしているのに、私の妄想を受け入れ、かついつも冷静で鋭い意見を惜しみなく与えてくれつつ、ここまで忍耐強くお付き合いいただいた(そして今後もお付き合いいただけるのだろうと信じている)。
この場を借りて心からお礼を言いたいと思います。

もうひとついうと、今日4月20日は、リビアで亡くなったティム・ヘザリントンという写真家の命日である。
前にも書いたけれど、ティムは、何も見せるものがない状態で話だけ聞いて登場をオーケーしてくれた人である。
そんなこともあって、なんとしても今日という日に間に合わせたかったという気持ちもあった。

Periscopeはまだ試運転を始めたばかりだし、とりあえずは英語だけのスタートである。それでもいいよ、という方には、ソーシャル・ネットワークにもぜひ協力していただければと思います。
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