メインの彼が友達のレストランの常連さんということで、誘っていただいたのである。
私はこれまでノーマークだったんだけど、検索したらけっこう有名なバンドではないですか。
なかなかに素敵なバンドだった。
ちょいとチージーに思える瞬間とかもまああるんだけど、ビートルズを思わせるノスタルジックな甘めのオルタナといった感じか。
でも、オアシスよりも真摯でピュアで不器用な感じ。
極寒の水曜日、11時にスタートするショーなのにソールドアウト。
しかも観客は私より年上(40歳代多かったような)に見える男性ばかり。
聞けばこのバンドは1992年からやっているという。
私がアメリカにくるさらに前である。
観客の盛り上がり方をみて、自分の思い出と楽曲をリンクさせているんだろうということが想像できる。
人間、ノスタルジーに訴えられると弱いのだ。
と、改めて確認。
前にも書いたことがあるけれど、自分のまわりのミュージシャンたちが年老いていくのを見ていて、ちょっと切ない気持ちになるときがある。
ほとんどの場合、ずっと貧乏だし、結婚したり、子供を持ったりすると、ライフスタイル的にも続けていくことのハードルがどんどん上がる。
だからこそ、こうやってやり続けてる人に頭がさがります。
そういえば、私のNYの女友達4人が、ちょうど2年くらい前にバンドをはじめた。
私と同世代の日本人女子たちである。
みんな、それぞれ仕事も生活もあるわけで、そんななか、バンドを始めたと思ったら、あっという間に驚く勢いで成長し、ブルックリンまわりで確実に人気を伸ばしている。
その名もHard Nips。
ハードニッポンガールズである。
友達だということもあるが、心からいいと思っているので、ライブがあるときは見に行くようにしている。
そしたら、ちょっと前にたまたまNYにいたCMディレクターのサノ☆ユタカさんが一緒に遊びにきてくれて、それがご縁となって、楽曲がCMに使われることになった。
そして、サノさんの手によって、CMができた!
サノさんとはそんなに長いお付き合いじゃないけれど、お会いしてすぐに大好きになった。
どんなに遅くても、遠くても、つきあってくれる。
そして貪欲に楽しみまくる。
このくらいの貪欲さがないと、おもしろいものには出会えないのだ。
そんなサノさんがNYにいらっしゃるたびに、ものすごいエネルギーをいただいている。
大好きな人たち同士が仕事で結びつくのを見ると、ものすごく幸せな気持ちになる。
そして、やり続けてきたNada Surfもいいけど、この年代で新しいことを始めちゃったHard Nipsからも、相当素敵だと思う(そして、両方とも、ナマで圧倒的な力を発揮するライブバンドだ)。
自分も引き続き「歳相応」という概念には反抗していこうと思います。