ニューヨークも、すっかりもう秋のような気候ではあるが、夏のイベントてんこもりです。
昨日の夜はガバナーズアイランドというマンハッタン沖の島で夏中やっている「ザ・ビーチ」というイベントに行ってきた。
この島は、歴史的にはいろんな用途に使われていたらしいのだが、90年代に沿岸警備隊が基地を閉鎖して以来、放置されていて、近年になってイベントスペースに使おうという気運が盛り上がり、03年くらいから夏になるといろんなイベントが行われている。
今年の夏はMIA が出てすでにけっこう話題になったし、ちょっと知ってるネオカントリーの若手(ジョニー・コーンドッグというかわいこちゃん)が前座で出たときに、行こうかなと思ったのだが、フェリーに乗らないといけないし、荷物検査とかもあるだろうし、長丁場になりそうだし、人ごみは嫌いだし、とずるずる行かないですませていた。
が、昨日はPrefuse 73本人が誘ってくれたので張り切って出かけることに。
というわけで、島に初上陸。
とはいっても、事前にフェリーの時間を調べたり、けっこうな大仕事だったりする。
サイトをみると、
We encourage everyone to come early and enjoy the beach.
と書いてある。
ふーん、ビーチなんだー。
と思って行ってみたら、島はこんな感じ。
人口の砂浜にネオンの椰子の木。
無理やり「ビーチ」って呼ばなくてもいいと思うんだが・・・現場についてビールを買ったりしつつ、トイレに行ったりしていたら、Prefuse 73に遭遇した。
それから1時間近く、個人漫談みたいなおしゃべりで私たちをめっちゃ楽しませてくれた。
そして昨日のラインアップは、頭から
Miniature Tigers
Nite Jewel
DOM
Prefuse 73
Neon Indian
バンドはそれぞれカラーがあるのでひとくくりにするのは申し訳ないけれど、最初のほうのバンドをあえてひとくくりにすれば、最近流行ってるちょっとニューエイジの子どもみたいなオシャレな音楽って感じ。
すっごい盛り上がるでもなく、淡々とすすんでいくんだけど、最近の若者たちは体を揺らしつつゆるーく楽しむ、みたいな感じである。
プレヒュース本人が「(このラインアップに)ものすごく合わないと思うんだけど」とつぶやいている。
しかも、MIAのときにはかなり多数のお客さんが彼女のパフォーマンスの前に帰ってしまったという話があって、「無料のショーって、みんな帰っちゃんだよね」とか言っている。
しかし、昨晩はプレヒュースが登場する頃にはお客さんたちは帰っちゃうどころか、かなり大変なことになっていて、相当盛り上がってるのはいいけれど、何をとったか、もうすっかりあっちの世界に行ってしまい、しゃがみこんでる若者がかなり多いのは、地方のフェスと一緒である。
こういう場所の荷物検査ってほんと意味ないんですよね。
というわけで、楽しかった。でもやっぱり大きいハコ(この場合は違うか)は苦手である。
人が多いし、閉じ込められている感があるし、好きなときに帰れないし。
フジロックやサマソニで盛り上がっているみなさんをいつもうらめしく思っていたのだが、行ったら行ったで苦手なのかもしれない。
それはさておき、昨日のイベントはチケットは無料(定員になった時点で締切り)。
フェリーも無料。
食べ物や飲み物は持ち込めないし、ちょっと高い(水が3ドル、ビール7ドル)けど、5時間くらいいて、20ドルも使わなかった。
スポンサーはコンバース。
こういうイベントが、同時多発的にいろんなところで行われているのです。
ニューヨークの醍醐味はこういうことなんだ、ってことを思い出してみた。
昨日遊びすぎたせいで、今日はやめてしまったセントラル・パークのパブリック・エネミー。
やめた理由は、こちらも無料なせいで早い時間から並ばないといけないと言われたからなのだが、よくよく考えるとものすごく贅沢である。
お金で買えない贅沢。
「並ぶ時間ないし」と言ってる自分が、ちょっぴり貧しく思えるから不思議である。