私が駆け出しの頃は、よく出ていたし、女性誌の「ニューヨーク特集」にもたびたび参加させていただいたのだが、最近は、そういうお仕事が少なくなった。
私の仕事の方向性ということもあるかもしれないが、「ニューヨーク特集」自体が少なくなっているのだと思う。
海外の一都市をくくりにガイド的なものを作るのはお金もかかるし、よっぽどちゃんと作らないと買ってもらえないだろうし。情報はインターネットで手に入るし。
というわけで、カーサ・ブルータスのNY特集。
前回「ニューヨーク特集」に関わったのも、カーサ・ブルータスだった。
自分が関わったから、というわけではなくて、カーサはちょっと違う作り方をしていると思う。
情報も伝えているけれど、今の空気感を伝えているというか。
今回は、私が担当したのはアートとインテリアのショップガイド、そしてトム・ブラウン対マイケル・ヘイネイの対談、アダム・キメルと中村ヒロキさんのインタビュー。
実は、もう一人、マーク・ボスウィックのインタビューをやりたかったのだが、ケガをしたということで、タイミングがあわなかった。残念。
私がインタビューしたトム、アダム、中村さんの共通項は、オーセンティックなモノ作りを突き詰めて考えている、ということだと思う。
いつも、ファッションに対して好きだけど嫌い、という矛盾した気持ちを持ち続けている私でも、この3人のやり方は筋が通っていると思う。
3人に会ったとき、彼らの感じている空気感が伝わるようなインタビューにしたいと思った。
景気が悪くなって、確実にニューヨークはおもしろくなったと思う今日この頃。
景気が良かったときにはできなかったことを、みんながやろうとしていると思う。
(ということは、中村ヒロキさんも言っていた)
というわけで、2、3年前に「最近のNY、つまんないよね」と言っていたみなさん、ぜひ遊びにきてください。