2011年8月2日火曜日

グランドサークルへの旅/ブルータス

もう1週間近く経ってしまいましたが、6月にナバホ族の居留区を中心にグランドサークルと呼ばれるエリアをまわった旅が、誌面になりました。



行くたびにルートは違うけれど、ナバホの居留区を訪れたのはこれで4度目。
前回は、2008年の大統領選挙の前に、コヨーテの企画で全米を旅していた途中にカイエンテという街に立ち寄ったとき。
マクドナルドで中学生の女の子たちと知り合って、できたばかりのスケートパークに連れていってもらったのだった。
これだけあれこれめざましく変わる時代である。
3年も経てば、風景は変わらないにしても、どれだけ変わったかと恐れていたのだが、相変わらず電波のつながらないところは多いし、まだ多くの人が水道も通っていない村落で、ガス式発電機を使った電気を使って暮らしている。
このあたりは、ここがほんとにアメリカ?と思うような感じで、まったく違うペースで時間が流れているのです。
かつては大都会に暮らし、そのうち故郷にもどってきたというナバホの男性と話をしたときに、不便を感じない?と聞いたら、「We Navajos do with what we've got」という返事。
それまでのことなんだけど、あるものでなんとかするって、実はすごく大切なことな気がします。
今、原発をゆくゆくはなしにしていこうという意見に対して、「経済止まっちゃうけどいいの?」という意見を目にする。
そしてそこには、ナイーブな理想主義者に対するちょっとした上から目線を感じたりする。
けれど、過去のことはともかく、危ないとわかった手立てで電気を作り続けるよりは、あるものでなんとかできる方法を考えましょう、ということのほうがよっぽど現実的な気がする。
というようなことを、アリゾナまで出かけて考えてきたのでした。

と話はすっかりそれたけれど、2660キロ走って撮ってきた風景の数々が紹介されているので(写真は伊藤徹也さん)、よかったら手にとってみてください。